【日曜】林秀樹「ド底辺ホール復活プロジェクト」第33回

2015.09.05 / 連載

※金曜日から日曜日に移動しました!

コンサルティングの現場より(21) カネがないときの顧客動向を考えろ!(1)

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。今週はスロットでビッグタイトルの納品が始まりますね。スロット、特にAT機は比較的若者への訴求効果が高いので今週からしばらくはホール現場も活気が出ることでしょう。

ただ、時期的なことを考えると先行きは厳しいことが予測できます。例年9月~11月は落ち込みますからね。大きな理由としては農繁期であるということが挙げられますが、それだけではないです。やはり夏が過ぎ、冬に向けて人の心は「財布のヒモを引き締める」意識が働くのでしょう。今回は今週と次週の2回に分けて、そういったとき(カネを使わない、使いたくないとき)の営業についてお話します。

カネを使いたくないということは、人は出費を抑えようとします。パチンコそのものに行く回数を減らしたりできるだけ甘めの機種を遊技しようとしたりするでしょう。そうなるとホール側としては売上の低下となるわけで、「それではいけない」とばかりに比較的売上の見込めるMAX機など射幸性の高い機種を導入して乗り切ろうとしがちです。しかしそういった施策は一時的に売上アップをもたらしますが、すぐにお客様の懐を疲弊させてしまい結局は売上低下を引き起こし、「それではいけない」」とばかりにまたMAX機を導入して・・・。悪循環ですね。

こういった悪循環を断ち切るためには思考の根本を変えなくてはいけません。上記思考の出発点は「お店の売上アップ(維持)をするためにはどうすべきか」です。そうではなく思考の出発点を「お客様は何を求めているか」とすべきなのです。マーケティングでは前者の考え方を「プロダクトアウト」、後者を「マーケットイン」と言います。

・プロダクトアウト…お店の論理から物事を考えて、お店の売りたいものを売る(=商品を押し出す)。「プッシュ戦略」のひとつ。

・マーケットイン…市場の論理から物事を考えて、お客様の欲しいものを売る(=ニーズを満たす)。「プル戦略」のひとつ。

この違いです。

今回の例でいうと、お店の売りたいモノを押しつけてもお客様が振り向かなければ売れるはずがありません。この時期はカネを使いたくないという気持ちに合う商品を揃える必要がありました。お店の気持ちではなくお客様の気持ちに立っての考えをするのです。このあたりの考え方については次回、詳しくお伝えいたします。

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹

1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技 機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入 社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

 

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