【日曜】林秀樹「ド底辺ホール復活プロジェクト」第32回

2015.08.31 / 連載

※金曜日から日曜日に移動しました!

コンサルティングの現場より(20) まずすべきことは、“稼ぐ”こと!

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。今週から9月に入ります。今年は2009年以来6年ぶりに5連休、いわゆる“シルバーウィーク”がありますね。その前週にはスロット北斗の拳強敵の納品も始まるのでちょっとした活気も出るかな?と思います。ただし6年前の記憶を辿ると実はこの秋の5連休はあまり稼働がよくありませんでした。やはり秋のこの時期、ちょっと長い休みがあるとパチンコではなく行楽に出かけたくなるのも無理はないところです。あまり過度な期待を持たずに、いつも通りの地に足の着いた営業を志向していきましょう。

さて今週のド底辺ホールのお話は、こういった外部環境的に良いと思われる時期(SWOT分析でいう“O(opportunity=機会、チャンス)”の時期)に取り組もうとした施策およびその結果についてです。結論から言えば、「こういったことを考えていては、ド底辺ホール脱却はできませんよ!」というお話です。

ちょっとした長めの連休前には得てして大型版権などのビッグタイトルの納品があります。しかしそこはド底辺。そんな機種が手に入るはずもなく残念ながら連休後の納品となることが濃厚でした。これに対しての店舗会議での意見は下記のようなものでした。

「この大型版権機種は絶対に必要だ。遅れてでも導入したほうがいい。」

「そうすると連休で競合に差をつけられる。どうするべきなのか。」

「連休中は出玉でアピールすればよい。」

だいたいこういったペースで話が進みました。結論は、

①  連休後に新台で導入

②  連休対策は連休中をシメないこと

③  連休後に競合が落ち込むときにこのビッグタイトルで勝負をかける

です。

これまでこの連載を読んでいただけている方はもう、何が間違っているかわかりますね。

①  ・・・販売台数も多く連休後には中古価格が暴落している(はず)

②  ・・・取るべき時に取っておかないでいつ取れるのか

③  ・・・落ち込むとき=脅威の時に仕掛けても効果が薄い

簡単に上記のような結果が想像できます。案の定、連休中に出したことで利益の確保もままならず、連休中後に稼働が上がるかと言えばそうでもなくむしろ稼働は落ち込み、そんなときに遅れてビッグタイトル(といってもすでに突出した稼働でもなくなっていますが)を導入しても盛り上がりもなく・・・。今回のような場合にすべきだったのは、

①  連休後に中古購入で機械代を抑える

②  後の仕掛けのために、利益確保できる時に取っておく

③  連休後に照準を合わせるのではなく、次の「機会」に照準を合わせる

でした。

業績を上げるのに奇手はありません。一番の近道は王道、基本に沿うことです。

・強みを機会に投入する

・弱みを前面に出さない

・脅威となるときに仕掛けない

これら基本の考え方を忠実に実行することを意識してもらいたいです。ド底辺脱却には、「当たり前のことを当たり前に」実行してください。

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹

1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技 機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入 社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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