【日曜】林秀樹「ド底辺ホール復活プロジェクト」第31回

2015.08.24 / 連載

※金曜日から日曜日に移動しました!

コンサルティングの現場より(19) 細かいことを気にしろ!

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。お盆が過ぎて1週間、やはりというか、厳しい数字が続く毎日です。それでも8月はいわゆる“繁忙月”というものですし、残り1週間、しっかりと利益確保をしないといけませんね。さて、今週もあるド底辺ホールでのお話です。このお店の店長は少々雑なところがあり、部下からの書類や稟議書なども内容をよくチェックせずにハンコを押したりしていました。

「部下もちゃんと仕事をしているのだから」

こういって「大丈夫、大丈夫!」と進めていました。しかし、ついに事件が起こってしまいます。部下が作成したチラシ作成依頼書について内容をよく確認しないで通してしまい、その後に祝日の関係で一日間違っていたというミスが発覚しました。もちろんすでに修正が効かない状況です。結果的にこのチラシは折り込みストップとなってしまいました。普段からもう少し細かく見る姿勢さえあれば何のこともなかった、ただの凡ミスです。しかし、その凡ミスが会社に金銭的なマイナスと入替なのに折込チラシが出せなかったという失点になってしまいました。

「ハインリッヒの法則」という言葉をご存じでしょうか。「ヒヤリ・ハットの法則」とも言われます。「1件の重大事故の背景には、29件の軽い事故や災害が起きており、さらに事故には至らなかったものの一歩間違えば大事故になっていた事例(ヒヤリ、ハッとする事象)が300件潜んでいる」という法則性を示したものです。ここで「1:29:300」という数字に注目しがちですが、重要なのはその数字や比率のことではなく、「同じ原因に根差している問題が最終的に大事故につながってしまう」ということです。今回の例でいえば、普段から店長が部下からの書類を適当に処理していたことが原因です。今回の一件は言ってしまえば金銭面およびチラシが配布できなかったことで済みました。上記でいえば「29」に該当する事象でしょう。しかしこれを放置し改善を図らなかったらそのうち致命的なミスを起こすことにつながるということを、このハインリッヒの法則は述べているのです。

 「日々、細かいことを気にする」、この姿勢が致命的なミスを回避するカギです。つまらない、他愛もないことにこそ細心の注意を払い、一つ一つの仕事に手を抜かずに臨む姿勢を持ってください。

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹

1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技 機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入 社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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