【日曜】林秀樹「ド底辺ホール復活プロジェクト」第28回

2015.08.03 / 連載

※金曜日から日曜日に移動しました!

コンサルティングの現場より(16) 人を動かすために必要なこと

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。非常に暑い日が続いていますが、パチンコ業界も久しぶりに活気が出てきているようです。やはり注目機、話題機が発売されると活気づきますね。ただド底辺ホールとしては納品がまだ先(もしくは納品されない・・・)だったりするのでなかなか波に乗れていないかもしれません。でもそんな状況であっても、店舗が一丸となって「ド底辺」という状況を打破するために頑張っていきましょう。

今週は「店舗が一丸となって取り組まなければいけないのに、なかなかそうならない」ことの原因を探ってみたいと思います。

あるド底辺ホールでのお話です。このお店では若くして抜擢された店長が切り盛りしていました。若くして抜擢されただけあり確かにこの店長はしっかりと論理的に組み立てた話をする非常に聡明な方なのですが、その能力が店舗運営に生かせているか?というとそうではありませんでした。店長の言うことに間違いはないのですが、「笛吹けど踊らず」的な、部下を含めた周囲のサポートがなかなか得られない状況です。それがド底辺から脱却できない要因となっていました。先週取り上げたバカの壁という本の中に、「y=ax」という式が紹介されています。各変数は、

・y=相手に伝わる内容の量、相手が示すリアクションの大きさ

・a=相手の興味値

・x=相手の理解値

という意味です。つまり「相手が理解する量およびそのことに対するリアクションは、相手の理解だけでなく興味が得られてこそ大きくなる」ということを示しています。(なお掛け算なので、仮にaが1.0を下回った場合はxという理解値がもっと小さくなってしまいますね。逆も然りです。) また古代ギリシャの哲学者ソクラテスは、「大工には大工の言葉をつかえ」と言っています。コミュニケーションは相手が理解できるように話をしないと成り立たないのです。今回、上記の店長は自分の考えを部下に伝えるだけで、その相手が理解して(納得して)行動に移しているか?への関心が低かったことが問題点でした。「自分はわかっているんだから、相手もわかるだろう」という思い込みです。

ド底辺ホール脱却のためには「日々考えること」が重要です。いろいろなことを知り、知識を増やしていかなければなりません。しかしそれだけでもいけないのです。仕事は一人では成り立たず、必ず周囲と連携して行います。周囲とともに仕事をするためには、周囲がわかるようにわかりやすく説明できる能力、コミュニケーション能力も必要です。y=axからいえることは、「成果を得る(y)には、相手の興味を引くこと(a)も重要なのだ」ということです。

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹

1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技 機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入 社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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