【日曜】林秀樹「ド底辺ホール復活プロジェクト」第16回

2015.05.09 / 連載

※金曜日から日曜日に移動しました!

コンサルティングの現場より(4) 利益をもっと取れ!

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。突然ですが質問です。次のうち、もっともダメなものはどれでしょうか?

①  増収・増益

②  増収・減益

③  減収・増益

④  減収・減益

このうち①が一番いいのことはすぐにわかるでしょう。また逆にこういった質問のときはありきたりな答えとなる④ではなさそうだな、ということも想像できます。ということは②か③のどちらか、となりますね。ここで「③の減収・増益が一番ダメだ!」と答えたあなた、どっぷりとド底辺に染まっています!実は一番ダメなのは③ではなく②の「増収・減益」なのです。

 「だって③の減収・増益ってことは、売上、稼働がないのに利益だけ取るということだから、そんな営業をするのは長期的に見てダメになるのでは?」

なるほど、その意見もわかります。でも「いずれ、先」の前に「今、目の前」を心配しないといけないのではないですか?あなたは現状の問題が見えていないからド底辺に甘んじているのです。②の「増収・減益」というのは売上が増えて利益が減ることです。売上を上げるのは現場であり、増収ということは、現場では「売上が上がっているこのやり方がいい」となりますが、本当は減益なので経営視点では「このやり方ではダメ」なのです。③は減収でも増益なので、将来の原資は確保できていますからまだ救いがあります。でも、②のように減収だと設備投資(遊技機購入、設備更新、また出玉も)ができません。このことに気付かないからいつまでも「ド底辺」なのです。

「だったら④の減収・減益が一番ダメなのでは?だって売上も落ちているんだし・・・」

いえいえ。またしても「だからあなたはド底辺!」です。④の減収・減益の場合、少なくとも現場と経営の双方が「現状のやり方ではまずい、ダメなんだ」と意見が一致します。④よりも②がダメなのは、「本当は今のままではダメなのに、現場は今のやり方が正しいと思ってしまう」ことにあるのです。

商売は「収入を多くして支出を少なくする」が基本です。そしてここでいう「収入」というのは売上ではなく、「粗利益」のことです。利益を稼ぐことに抵抗を感じるかもしれませんが、利益は決して「儲け」ではありません。「利益は将来のための原資」なのです。強豪店はこのことをよーく理解しているから、しっかりと利益を稼いで、その利益を魅力あるお店にするための設備投資(遊技機購入、設備更新、出玉)に充てているのです。「取ったから、出せる」、「取ったから、買える」です。利益をしっかりと稼ぐことがド底辺脱却の第一歩なんですよ!

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹

1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技 機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入 社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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