【日曜】林秀樹「ド底辺ホール復活プロジェクト」第15回

2015.05.05 / 連載

※金曜日から日曜日に移動しました!

コンサルティングの現場より(3) 一喜一憂なんてバカげている!

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。ド底辺ホールと言えども日々の数値管理くらいはしていますよね。売上、利益、割数、他店人数調査などなどいろいろな数値がありますが、その残したデータを分析しているという人はどれだけいるでしょうか。集計したデータをファイルに閉じてはい、終わり!ではありませんよ。ここにド底辺ホールと普通のホールに歴然とした差があります。

日々のデータをチェックしていると面白いことに気づきます。たとえば人数調査である日突然稼働が上がる、はたまた突然下がるなどの急激な変化が見られるときがあります。そういったときはたいてい、理由も把握できていますよね。稼働が急上昇した時は他店がお休みであったりとか、急降下した時は他店が大型入替をしたりであったりとか。だいたい他店の影響を大きく受けて自店の稼働(業績)に変化が現れます。そう、そこなんです!急激な変化(それが良きにつけ悪しきにつけ)が起こった場合、それは得てして「外部的な影響」による変化なのです。

「そんなことはわかってますけど?」

「数字をちゃんと見て分析してますけど?」

いえいえ。わかっていません。できていません。そもそもあなたのお店はわかっていないからド底辺なんですけど?よくある光景ですが、 上司「今日は稼働が低いな」 店長「そうですね、今日は隣が大型入替なもので」 上司「そうはいってもそんなことで影響を受けているんでは拙いだろう。対策は考えてあったのか?」 店長「・・・(ンなこと言っても・・・)」

こんな会話、よくありますね。ハッキリ言って、こんな会話は意味がありません。不毛です。日々他店調査の数字を見て「どうしてこうなんだ~」というのは分析でもなんでもありません。

他店調査の結果を「分析する」というのは(他店調査に限らず数値を分析するというのは)、それなりに長期間を見て変化を感じ取ることです。一般的に、 ・急激な変化の要因は外部的な影響 ・ゆっくりとした変化の要因は内部的な影響 を受けています。急激な変化を見て一喜一憂するのではなく、緩やかな変化や予兆を発見することが「分析」です。もちろん他店調査なので、他店の人数からも(他店の)変化を感じ取れるはずです。突発的な出来事ではなく緩やかな変化を気にできるか?ここにド底辺と普通のホールの差があるのです。

数字は結果、事象を表しています。そしてその集めた数字は「宝の山」です。ファイルに閉じて終わり!ではなく、長期間の変化を読み取るために過去のデータを活用してください。内部的な変化を感じ取ることが重要です。「外部要因による変化は気にするな」ですよ。

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹

1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技 機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入 社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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