「特定日の存在意義をズバっと語ります」

2018.06.23 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(167) 出玉系のイベント

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。先週の記事では「イベントは必要」ということをお伝えしました。イベントをしないという選択肢はなく、そしてイベント開催の目的を取り違えないでほしいというお話です。

さて「イベント」というものにはいろいろな種類があります。先週お伝えしたような景品に関するイベントもあれば出玉に関するイベントもあるわけで、今回はこの「出玉に関するイベント」についてお伝えしたいと思います。

パチンコ店の出玉に関するイベントは一般の小売店で言えば「バーゲン、セール」に相当します。小売店が行うバーゲンというイベントは、バーゲン終了で売上は元に戻るか逆に落ち込むことが一般的です。バーゲンを実施する側の想定では「自社(自店)はバーゲン後もその余波が残るのではないか」という希望的観測を持ちますが、どのような業種であれ、そうではないことは明らかです。

小売店同様、パチンコ店でのイベントも一瞬のカンフル剤としては効果を発揮しますが、その後につながってもらえないというのは悩ましい問題です。なぜそうなるかというと通常営業では期待感が持てないと思われているからであり、だからこそ重要なのは「普段の、通常の営業」です。イベント当日だけ期待感を上げるのではなく、普段からの取り組みでお店に活気を出しておかないとその後の稼働向上に寄与することはありません。イベントに対しては「実施することで今後の盛り返しのキッカケを作る」と考えるのではなく、「これまでの感謝、お返し」という認識を持つべきです。普段の営業の「プラスアルファ」なのです。

出玉に関するイベントをいくら実施しても、それがお店のブランド力の向上にはつながらないです。いわゆる「安売り営業」なのですから、こういったイベントをすればするほど「通常の販売価格=通常の出方」が満足できないものになり、その日にしか来店しないお客様(こういった層を「お客様」と呼ぶのかどうかは疑問もありますが)が増えるだけです。重要なのは日々の営業であり、その通常営業というベース(基盤)がしっかりしていないといくらイベントをしても業績向上につながることはないと考えてください。

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。著書に「ジリ貧パチンコホール 復活プロジェクト」(幻冬舎)がある。

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