「小さくまとまる若手」と「全部口出しする上司」

2019.04.27 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(211) 上司の役割

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。

いよいよGW、10連休がスタートしました。3月の半ばあたりから売上、稼働が厳しい状況が続き、それにより利益の確保が難しくなっていたであろう店舗は今回の10連休に期待していると思います。

しかし確かに10連休ではありますが、暦の上では4月と5月に分散することと、例年GW後の落ち込みが激しいことがあるので、終わってみれば4月も5月も通常の月と同じくらいの数字になってしまいそうです。とはいえ、やはり大型の連休期間になるので、この期間には平常よりは多めの稼働と利益を確保する営業を志向してほしいと思います。

ところで最近、支援先で打ち合わせのミーティングなどをしているときに漠然と感じることがあります。それは「小さくまとまっている」ということで、言葉を変えるとなんとなく「サラリーマン」という印象です。

もちろんサラリーマンであることは事実でしょうし、会社の方針に沿って忠実に動くことを求められるポジションです。しかし、昔はいい意味でも悪い意味でも豪快な方が多くいました。

しかし最近の、特に若手は逆に臨機応変というか柔軟な思考に欠けているような気がしてなりません。言われたことは忠実に実行しようとしますが、それ以上のことを自分から考えて行動するといったことに欠けているように感じます。

「なぜそうなっているのか」を考えた場合、往々にして原因は上司や会社にあると思います。私は今年47歳になるのですが、このくらいの年齢の方が今、だいたい現場を離れて管理業務に回っています。そして今の管理層がちょうど現場の第一線にいたころ(15~20年前くらい)がパチンコ業界的に一番良かった時代でした(売上30兆円、参加人口2900万人時代)。

彼らは強烈な「成功体験」を持っているのです。この成功体験があるので現状の右肩下がりの業績に対して「自分のときはよかったのに今の奴らは」という思いになり、つい口を出して一から十まで指示・指導をしてしまいます。これでは部下の自主性も育たず、「言われたことをこなすことが仕事」という意識になってしまいます。

改めて中間管理層・幹部層には考えていただきたいと思います。「“自分たちが主”ではなく“現場が主”であり、自分たちは“補佐”である」ということを。現場が動きやすい環境、自由な雰囲気を作っていくことを。過去、自分たちも同じように考えていたと思います。現金機時代を懐かしんで「あの頃は良かった、今はダメだ」といって口出ししてくる上司がうっとうしいな、と。

パチンコ店は「遊びを提供している仕事」であり、上司は部下にもっと楽しく仕事をさせる環境を作ってあげてほしいと思います。

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。著書に「ジリ貧パチンコホール 復活プロジェクト」(幻冬舎)がある。

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