「大丈夫ですか、改善するための計数管理ですよ?」

2018.07.14 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(170) 計数管理からの業績向上策を考える

皆さんこんにちは、アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林秀樹です。この夏も綜合ユニコム様主催「計数管理研修」が開催されます。今回は基礎編と応用編が1カ月の期間を空けての開催になり、より受講しやすくなりました。また基礎編、応用編のどちらかのみの受講も可能です。

今回も計数管理に関するお話をお伝えします。今回は「計数管理面から考える、業績向上策」についてです。

「計数管理」というと、
・遊技機管理
・データ管理
・利益管理
というように、主に数字を「管理」するために用いるものというイメージがあります。
・数字という結果が示す、現状を確認する指標
ということです。

しかし計数管理をこのように捉えている限り、数字は「与えられたもの」となり接し方が受動的になり、「管理するための資料」としての域を超えることはありません。結果として示された数字は、「改善するための資料」と捉えることによって数字を能動的にコントロールしていく意識が芽生えます。計数管理に限らずすべての業務は業績向上のために行うわけであり、その中でも特に計数管理は売上、利益に直結する業務になります。だからこそ結果をとらえる指標としてではなく、問題点や課題点を示している指標として「活用」が求められます。

さて業績向上の一つとして「稼働を伸ばすこと」を考えた場合には、大きく2つの方向性が考えられます。つまり、
・来店客数を増やす
・滞在時間を伸ばす
です。来店客数を増やすには広告宣伝など外部への働きかけが必要となり、滞在時間を伸ばす方向に目を向ければ、できること(すべきこと)は内部へ働きかける施策となります。当然接客や販促物などが重要になるのですが、実は計数管理の面でもできることはあります。

例えば玉単価という指標があります。玉単価は「台売上÷台当たりアウト」で求められる「アウト1発当たりの売上」であり、遊技でのお客様の負担感を表します。

※10,000発の遊技で玉単価1.5円なら15,000円、1.2円なら12,000円の台売上になり、同じ稼働(遊技時間)において玉単価の高低で負担感の違いがわかる。

玉単価が高ければ使用しなければいけない金額が多くなるので、玉単価を低くすれば同じ予算での遊技時間が伸びることになります。そして玉単価を低くするには持ち玉比率を上げてあげればよく、そのためにはできるだけ早く大当たりをさせればよいことになり、シンプルに考えればスタート回転数を上げることで達成できます。

しかし単にスタートを上げるだけではいろいろな問題があるわけで、ここではベースとスタートの関係で計算をすることになります。自店の客滞率を確認し、その条件下でスタートとベースの組み合わせを計算する、つまりシミュレーションを行うことで導き出せます。

また玉単価を下げることを志向すると、持ち玉に早く移行させることにつながることから必然的に客滞率の上昇という効果も得られます。これらは「感覚的に」はその通りだと思うかもしれませんが、これを「計算で」行うことに意義があります。しっかりと数字を使って判断する、これが「計数管理を実践する」ということなのです。

ホールコンピュータを見ればすぐにいろいろな数値が表示されます。しかしそれはこれまでの結果を表示しているだけであり、そこから「活用」への意識を持たなければ何の意味もありません。数値という結果を様々な視点で活用する方法を考えることで、業績向上という結果は必ず得られます。




綜合ユニコム様主催「計数管理研修」が開催されます。
今回は基礎編と応用編が1カ月の期間を空けての開催になり、より受講しやすくなりました。また基礎編、応用編のどちらかのみの受講も可能です。
なお両日とも東京ガーデンパレスにて開催いたします。

■ 基礎編 2018年7月19日(木) 13:00~17:00
現在のホールコンピュータには様々な数字が表示されています。それら一つひとつをただ受動的に見るのではなく、能動的に使っていくためには、各項目の意味と成り立ちを理解し、自分で計算ができるようにならなければいけません。
[基礎編]では特に遊技機メンテナンスに必要な項目の理解を目的としています。「覚えるではなく、理解する」がテーマです。

1.遊技機の管理に関する計数項目の理解
・特賞間を管理する項目(スタート、TS、BO)
・消費金額を管理する項目(ベース、BY、BA、B%、1,000円スタート)
・特賞玉数を管理する項目(TY、T1Y、T①Y)
2.店舗の営業に関する計数項目の理解
・出玉を管理する項目(差玉、出玉率)
・利益を管理する項目(景品割数、機械割数)
・営業を管理する項目(玉単価、玉粗利、誤差玉、ほか)
3.遊技機の運用シミュレーションの作成
・客滞率とBサの理解
・基本的なシミュレーションの作成
・応用シミュレーションの作成

■ 応用編 2018年8月23日(木) 13:00~17:00
[応用編]では、基礎編で学んだ基本用語と基礎知識を活用してより実践的な遊技機の運用についてお伝えします。特に日々の営業に関する悩みは計数管理を理解することで解決できることを学んでいただきます。
応用編の最後には、まとめとして遊技機管理の知識を計画に落とし込むための考え方を学習し、日々の営業で活用することができるようになっていただきます。

1.実践シミュレーション
・遊技機シミュレーションの考え方
・シミュレーションの組み立て方
・競合店の遊技機運用を推測する
2.営業への活用
・どうしても割数が落ちないときにどうするか
・体感スタートとHC(ホールコンピュータ)スタートの違いとは
・ベース管理が勝敗を分ける
・玉粗利ではなく玉単価を見る
・客滞率の重要性を理解する
3.営業計画の作成
・年度計画作成のポイント
・月間計画作成のポイント
・機種別計画作成のポイント
・メリハリの考え方
・進捗確認(週間集計)と修正のポイント

詳しくは下記綜合ユニコム様HPでご確認をお願いします。
皆さまのご参加、お待ちしております。
http://www.sogo-unicom.co.jp/pbs/seminar/2018/0712.html
http://www.sogo-unicom.co.jp/pbs/seminar/2018/pdf/20180712_0803.pdf

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。著書に「ジリ貧パチンコホール 復活プロジェクト」(幻冬舎)がある。

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