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【日曜】藤崎敏郎「意思伝達3つの落とし穴」

2015.03.23

藤崎敏郎の人材育成セミナー

第36回「 部下は事実を歪曲している!?」

コミュニケーションがうまくいかない原因には、三つの落とし穴があります。脳の働きから証明されています。上司と部下のコミュニケーションが取れない理由は、これが原因なのかもしれません。

●コミュニケーションの落とし穴1~「省略」

部下を褒めた人に「部下を褒めましたか」と聞くと、たいていの人は「褒めました」と答えるでしょう。しかし、この答えにはたくさんの情報が省略されています。どのような言葉で褒めたのか、何を褒めたのか、どんな表情をして褒めたのか、どこで褒めたのか、部下は喜んだのか、といったような情報です。コミュニケーションをとるときに、私たちは頭の中で「体験(もしくはイメージ)」を思い浮かべながら言葉を発しています。しかし、言葉ではそのほんの一部しか表現できないため、コミュニケーションにおいて、情報が「省略(削除)」されてしまっているのです。それによって、相手にうまく思いが伝わらないので、相手を理解することが難しくなってしまうのです。

●コミュニケーションの落とし穴2~歪曲

私たちはそれぞれが自分の価値観、色眼鏡で物事を見ています。自分自身のフィルターを通して世の中を見ているのです。それが極端になると、ある見方に重きを置いてしまうため、情報が曲げられてしまうのです。つまり、歪曲されてしまうのです。例えば、「部下が報告を忘れるなんて、きっと自分のことをバカにしているのだろう」というように、「報告を忘れる=バカにしている」というフィルターで見てしまうのです。現実は本当に忙しくて忘れただけなのかもしれません。上司が忙しそうだったので、遠慮して報告をしなかったのかもしれません。いずれにしろ、部下が上司のことをバカにしているのではないのに、そのように受けってしまうことがあるのです。私たちは、それぞれ育った環境も経験も違い、お互いの違った価値観がフィルターとなって、同じものを見たとしても、また、聞いたとしても、見え方や感じ方が違ってしまうのです。

ところで、歪曲というと「事実に反して歪んだ考え」と思われがちです。しかし、事実だと信じられているそのものが、私たちの思い込みであることも多いのです。例えば、天動説の時代は天が動くのが事実だと思われていました。地動説の時代になって事実は地球が動いているとなりました。地球がじっとしていて天が動いているというのは事実でなく思い込みだったのです。同じようなことが、それぞれ私たちの事実認識でも起こっているのです。事実でなく、自分の思い込みがたくさんあるのです。

●コミュニケーションの落とし穴3、「一般化」

「みんなが私を認めていない」、「どこも不景気だ」などという表現には、共通点があります。これを「一般化」と呼んでいますが、一つのサンプルをあたかもすべてのように表現するものです。例文の「みんなが・・・」、「どこも・・・」というのは、「本当にすべて残らずそうなのか?」というと、そうでもないことがほとんどでしょう。なぜ、それがすべての事実とは言えないのに「一般化」した表現が頻繁に使われるのでしょう。これは相手に同意を求めたいことが原因であったり、単なる思い込みであったり、もしくは自分の意見に自信がないからそのような表現をするということが分かります。「一般化」して、みんなも同じであるというニュアンスの表現を選んでしまうのかもしれません。

今回の格言は、

「部下は事実を歪曲している!?」

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株式会社パートナーズリンク社長 藤崎敏郎

元セブン&アイグループの本社スタッフ。その後パチンコチェーン店に入社。機械担当部長、営業部長として勤務する。その後、人事コンサルタントとし て独立。社員研修と人事コンサルティングで日本各地を飛び回っている。これまでに教えた受講者は10万人以上。業界誌にも複数連載し、ナンバー1社員研修 講師と言われている。取得資格:キャリアコンサルタント、販売士1級、社労士、米国NLPマスタープラクショナルコース終了、トレーナーコーチ、メンタル ヘルスマネジメント2級、宝地図ナビゲーター、レイキティーチャー、エネルギーマスターなど

http://p-link.co.jp/index.html(ホームページには各誌の書いた原稿を掲載中)

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