リミットまで約3カ月 インボイスやステマ規制の影響(2)

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インボイスだけじゃないホールを悩ます問題山積

インボイスに加えて、前号でもお伝えした「ステマ規制」も同じ10月から施行される。ホールの広告宣伝は「景表法」よりも先に「風営法」の判断となるため、あまり気にしていないという業界関係者も多いかもしれないが、広告宣伝ルールが改正されてきている段階だからこそ「ステマ規制」がどのような影響を及ぼすのかはしっかりと把握していく必要がある。現状でも晒し屋、インフルエンサーに自店情報を提供して情報発信を依頼しているホール関係者もいるかもしれないが、ステマ規制に抵触するような危険な行為は避けて、コンプライアンス重視を徹底すべきだ。 

ホール営業を逼迫する問題が山積

稼働や売上低下だけでなく、ホール営業に影を落とす問題は山積している。ひとつひとつ、問題の影響を整理して、正しい対応策を事前に準備しておくことが必要だろう。

 また、来年の上半期からは新紙幣が発行されるようになる。これだけキャッシュレスが進んでいる中で、取り残されているパチンコホールにおいては、新紙幣対応も喫緊の課題だ。新紙幣対応にどれだけのコストがかかるのか。ビルバリ(紙幣識別機)の改造や交換が最低限必要となるだろうし、対応メーカーによっては機器の交換が必要の可能性もある。あらかじめ、各メーカーに問い合わせて予算を組んでおくべきだろう。

さらにじわじわと営業を逼迫しているのが光熱費の高騰。ウクライナとロシアの戦争をきっかけに全世界的に天然ガスや化石燃料の高騰が続いており、国内の光熱費の料金は上がり続ける。飲食店などは光熱費高騰に対応するために値上げに踏み切るところも増えてきているが、一方でパチンコ店は安易に値上げすることはできないため、営業努力で対応するしかない。すでにLED対応や太陽光パネルなどを着手しているホールも多いため、日々の営業努力で光熱費高騰分を賄う必要がある。稼働が低迷している中で打つ手は少ないかもしれないが、自店に即した手法を見つけていくしかない。

光明も見え始めたからこそコンプライアンス重視

暗い話題ばかりをお伝えしてきたが、明るい材料もゼロではない。ひとつは新型コロナウイルスの5類移行。長らく業界に負担を強いてきた新型コロナウイルスがインフルエンザなどと同じ5類に移行されたことで、厳しい感染予防や対策は緩和となり、全国でも人出がコロナ以前に戻りつつある。多くのホールでは、スタッフのマスク着用や台の清掃や消毒などはいまも続けているが、ユーザーのマスク着用はだいぶ減ってきたようにも思う。人出が戻ればスリープユーザーの復帰も期待できるし、稼働が回復していく可能性もあるはずだ。

そんな戻りつつある人出に訴求するために広告宣伝ルールの改正も行われた。まだ何がOKで何がNGなのか不明瞭な部分もあるかもしれないが、店内で告知できる内容は増えてきているし、SNSなどを使った宣伝内容も徐々に明確になっていくだろう。

少しずつ緩和の動きも見え始めている状況だからこそ、グレーな晒し屋やフリーの演者をあえて使って危険を犯す必要はない。明るい兆しが見えつつあるからこそ、改正された広告宣伝のルールの範疇で健全な営業を行っていくべきではないだろうか。

暗い話題ばかりではない少しずつ見えてきた明るい兆し

パチンコの稼働低迷や閉店するホールも減らず、暗い状況は続いているが、明るい話題も出始めてきている。だからこそ、リスクを冒さずに健全な営業で企業を強くしていくことが重要ではないだろうか。

 

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