ノーマル機への不満を解消しファン数の回復と拡大を目指す(2)

組合・行政

―総会時の会見で「シンプルで遊びやすくある程度の出玉が感じられる遊技機とすることで既存ユーザーはもとよりスリープユーザーも参加してもらえる遊技機開発を目指していきたい」と言われていました。1回のボーナス枚数が300枚以内という現行規則がある中で、どうやってある程度の出玉を感じさせるのか。仮に内規の変更や緩和でノーマルタイプのスペックに対する不満を解消できるのであれば、どのような緩和で具体的にどのような仕様変更が可能でしょうか。

小:それがわかれば、こちらが教えてもらいたいですね……(笑)。適度な射幸性を持ったノーマルタイプを求めるユーザーのニーズがあるのは確かです。そしてそれに応えなければいけないというのも私たちの使命です。前回の規則改正でボーナス枚数が480枚から300枚に変更されました。その時の改正案では総じて出玉を3分の2にするということで、下げられました。ただし、賞品の上限値も9600円から6000円とする案が示されましたが、ホールの強い要望によって9600円に据え置きとなりました。  その時にボーナス枚数も480枚もしくはそれと同等の枚数に戻ればよかったのですが、それができませんでした。今後はそういう経緯を踏まえた上で、行政との相談になってくるでしょう。

―そういう経緯を行政に示すことで、内規の緩和でなんとかボーナス枚数の上限を上げていこうということですか。それとも次の規則改正に向けて準備していこうということですか。

小:規則改正を目指すのは確実な手法でしょうが、何年もの時間がかかります。ですからどういう手立てがあるのかは行政との相談になるでしょう。

―そこは小林理事長が就任中の課題ということですか。

小:課題でしょうね。業界のために新しいユーザーがいろんな台を選択でき、ホールに入って来やすくなるような環境にする必要がありますから。

―先日の総会で今後、3年から5年程度でパチスロの大半をスマート遊技機化(ATはすべて)することを掲げておられましたが、その先の10年後、20年後のパチスロ市場をどうみていますか。またはどうしたいですか。

小:5年先でさえ分かりませんから、10年先となると誰にも分からないでしょうね。ただ、警察庁の統計資料によれば、2022年末のホール数は7665店舗、2016年末は約1万店舗ということで、6年間で30%減少しています。このままでいったら10年後には5000店舗になるかもしれないし、20年後には3000店舗を割り込むかもしれません。これは机上論ですが、そうならないようにするために何としても新規ユーザーを増やさなければいけません。パチスロメーカーとしては多種多様な遊技機が開発できる環境を整備し、射幸性の面、遊技性の面など多様なラインアップをリリースしていかなければならないと思っています。それによってホールも地域特性に合ったオペレーションが可能となり、ユーザーの増加にもつながるはずです。

―今年度の事業方針に、「パチスロサミットONLINE」の拡充やwithコロナを視野に入れたリアルイベントの実施を目指していく、とあります。遊技人口の減少に歯止めがかからないなか、遊技人口の増加に向けた取り組みで、スリープユーザー、新規若年層、インバウンドのそれぞれに向けた具体的施策がありますか。

小:すでにご案内の通り6月7日にパチスロサミットONLINEをリニューアルします。既存ファンから休眠ファン、新規ファンとその輪を広げるようにWEBとSNSで参加型の企画を夏以降展開していく予定です。この流れは日工組が中心となって展開している「KIBUN PACHI-PACHI 委員会」の協賛企画となっています。業界全体で行っていく遊技人口増加に向けたプロモーションの一環だと考えます。夏のフジテレビのイベント・お台場冒険王には日電協組合員も多数出展する予定ですし、今年5月と6月にパチンコで実施した上野ショールーム試打会は、秋にパチスロで開催したいと思っています。  さらに10月21日に2019年以来のパチスロサミットをベルサール秋葉原で開催し、その後に続く日工組のみんなのパチンコフェスと全日遊連のファン感謝祭への道筋を作りたいと思っています。業界誌のみなさまには熱い記事展開をぜひともお願いします。

 

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