【経営者にこそ読んでほしい企業コンプライアンス】フォロワーが数千人いれば 演者として成立「それでいいのか?」 part2
来店者増加に伴い
いざこざも増加
当連載においても何度か触れてきているが、フリー演者の中には、「自分の取り巻きに情報を漏洩して台を占拠」や「ファン対応でトラブルが起こり炎上」など、マイナス面で悪目立ちするケースも多く、ホールに呼ぶ際には、一定のリスクがあることを訴えてきた。
加えて、最近では「容姿」「セクシー」さをアピールする演者に対して、「スロ垢はエロ垢じゃない。(中略)もう皆さ脱ぐのはやめよ」と昨今の女性演者に苦言を呈するツイートをする別の来店者も登場。一方で「自分の武器をアピールして何が悪いのか」と反論する来店者も登場して、側からみると足の引っ張り合いの様相を呈している。これも来店者が増え続けていることが要因といえるだろう。
来店者を呼ぶ店舗側からすれば、来店者同士のいざこざは実害もなく、気にするものではないかもしれないし、悪目立ちであっても影響力(集客力)があれば問題ないという判断をするのかもしれない。しかし、これらいざこざはゴシップ大好きな「まとめサイト」にとっては格好のネタであり、その記事をきっかけに店舗にも悪影響が出る可能性もゼロではない。男性客が多いこともあり、セクシーさをアピールする女性来店者を呼ぶことで集客につながるだろうと目論むのは少々安易ではないだろうか。演者を通して店が訴求したいことを表現することが、お店にとっては大事なことなのだ。
ファンと揉める女性演者
その行動は是か否か
女性来店者が増え続けている中で、一番目に付くトラブルがSNSのやりとり。自身に対して否定的なリプライを送ってくるアンチに対して過剰に反応することでさらに炎上し、それらやりとりは、やはりまとめサイトのネタとして取り上げられることで多くの人が知ることとなる。これらはホールには直接被害が及ばないトラブルのように見えるし、多くのホール関係者も黙認していた。
しかし、池袋の「パーラー富士」の公式アカウントは「フェアリンとりちゃのすけとかいうのは面倒くさいただの構ってちゃんで自分にとって都合が悪いコメントする奴をアンチ扱いするしか能がないクソ女なので出禁にしますー」「飼ってる店もどうかと思いますが同業とは慣れあう主義なので不問ー 呼んで金になるならオッケー こんなもんただの「道具」ですー」(原文ママ)と批判ツイートを投稿した。
過激な表現ではあるが、来店者=集客ツールとして見るならば、無用なトラブルを起こすことに対して否定的な物言いをするのは間違いではないだろう。
一方で「来店者だって人間だから」否定的な意見に対して怒ったりするのもしょうがないと擁護する意見も散見する。もちろん度を超えた嫌がらせなどを受けたりするようなことは避けなければならないし、そういう意味でもSNSで自らの想いを発信することは必要である。しかし、それが過度な反応だったりすると、アンチは面白がって、余計に絡んでくる。よくあるネットいじめの構図だ。それがまとめサイトで取り上げられることで、せっかく店舗にきてくれるファンが減ってしまうという可能性もゼロではない。来店者が増え続けているからこそ、ネットの使い方も含めて起用を検討することが重要といえるのではないだろうか。
来店者を呼ぶ目的を
改めて検証すべき
広告宣伝規制によって、隆盛を極めた「来店」は、集客のフックとして今でも活用されているが、有象無象の来店者が増えている現状において、来店者に求める役割が不明瞭になってはいないだろうか。
「賑やかし」「推し日の周知」「おすすめ機種の訴求」「常連客の増加」など、店舗ごとに来店者に求める役割は異なるかもしれないが、なぜ話題性だけで大手すら飛びついてしまうのか。来店時にトラブルが起こって逆効果になるリスクもしっかりと検証した上で、来店者の選定をしていくことが重要だ。
自らの胸を強調した来店者を呼んでファンがちゃんと来てくれて、効果があるのであれば問題はないが、ネットでトラブルが起こっていないか。そのトラブルが店舗に影響を及ぼさないかは常に検討しておくべきだろう。
大御所ライターや著名なメディアの演者を呼ぶことに飽きたからと言って、新しい来店者を自らSNSでピックアップしてDMでコンタクトを取って来店させることのリスクは計り知れない。取り巻きが台を占拠したと指摘されて炎上した「ぎゃるちゃん」のような事例もあるので、リスクヘッジは必要だろう。
やはり、集客ツールとして利用する以上は、目的を定めることが重要であり、無用なトラブルがなるべく起こらないようにするためにも、身元がしっかりしている大手所属のライターや演者を呼ぶ方が安全だといえるのではないだろうか。