【経営者にこそ読んでほしい企業コンプライアンス】炎上ネタをさらに燃やす薪を焚べる「まとめサイト」の功罪(2)

ぱちんこ系まとめサイトの功罪 スタッフを守る必要はある

 さて、他人の不幸は蜜の味とはよく言ったもので、ゴシップネタを見る分には面白いし、情報収集ツールとしては非常に有用な面もある。かといって、ホールや業界系メディアがまとめサイトの拡散力をうまく利用するというのは、ほぼ無理だろう。

  まとめサイト側からすれば、不祥事は格好のネタだからだ。イリーガルなネタ、誰かと誰かの揉め事、業界タブーネタなど、火が付きそうなところを見抜く嗅覚は非常に鋭く、切り取られる。

 例えば、お店にとっては規制内ギリギリを攻めたような試みという認識だったとしても、非常に目立つ形で取り上げられてしまうのだ。まとめサイト側からすると、ことさら名誉毀損などをしているわけではなく、ネット上に転がっている情報をまとめているだけなので、彼ら側にも正当性はある。

 ホールとしてできることは、せめてまとめサイトに載らないようコンプライアンスを守ってキレイな営業をすることだろうか。もしくは、まとめられ方が何かしらの権利を侵害しているのだとしたら、正当な手順で記事取り下げを依頼することだ。ケースバイケースだが、記事取り下げについてはあまり頑ななサイトは多くないように感じる。 

  また、違法性はまったくなかったとしても、ホールや時には従業員に対して向けられた罵詈雑言を目にしなければならないこともあり、スタッフの精神衛生的には決してよろしくないケースも多い。取り上げられた声は社会全体からすると極めて一部の声なため、本来は気にしないのが一番いいが、怒りや批判の声の拡散力は非常に強い。精神的にタフでない人にとっては押し潰されてしまうほどだ。会社、店、スタッフを守るためにも、今一度コンプライアンス意識を高める必要がある。


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