【注目エリアレポート】メガフェイスの出店で広域商圏からの集客力が向上【座間・横浜町田】

8月7日、福岡県に本社を置く急成長企業・フェイスグループの神奈川進出第1号店「メガフェイス1180座間店」がオープンした。場所は「メガガイア座間店」があった国道246号沿いの好立地で、昨年の「メガガイア本山店」から「メガフェイス1450本山店」に次いで2店舗目のガイアからフェイスへの移行になる。大型店舗の運営には定評のあるフェイスグループが関東2店舗目に選んだ地、国道246号沿いに強豪・大規模店がひしめく神奈川県の座間・横浜町田商圏をレポートする。

 

「横浜町田」は、神奈川県横浜市緑区と東京都町田市の境界付近にある東名高速道路「横浜町田インターチェンジ」から派生した名称で、国道16号と246号が交差する周辺をいう。

246号沿いの「メガフェイス1180座間店」から北西が座間市になり、同店周辺から「マルハン横浜町田店」周辺の計21店舗が座間・横浜町田商圏のパチンコ店になる。この商圏は大型店が多く1店舗平均で704台、750台以上のパチンコ店が9店舗存在する。

 

メガフェイス1180座間店

座間・横浜町田周辺パチンコ店の変遷

メガフェイス1180座間店が出店した場所は、元々は「大魔人」という500台規模の繁盛店があった場所だ。同店は見通しが良く交通量の多い246号線の交差点角地に店舗を構え、優良店として知られていたが、2012年4月にマルハン横浜町田店（1400台）、同年8月にやすだ大和店（912台）、デルパラ大和店（当時780台）と横浜町田方面に立て続けに大規模新店がオープンしたことによりユーザーの流れが変わった。

2014年12月には目と鼻の先に「Super D’STATION座間店（当時1032台）」がオープンしたことで、大魔人は撤退する。

しかし、同地でメガ化してオープンした「メガガイア座間店」は広域集客を実現し、やはりポテンシャルの高い場所であることを知らしめた。その後、横浜町田方面の競合の猛攻や海老名方面の新店「キコーナ海老名店」で徐々に活力を失うが、今回、大型店の運営を得意とするフェイスがバトンを受け取り、その手腕に注目が集まっている。

天井まで空間を仕切りきっちりとフロア分煙

福岡県を中心に九州エリアに店舗展開するフェイスグループが運営するメガフェイス1180座間店は関東で2店舗目（1店舗目は2008年にオープンしたフェイス1100瑞穂店）、神奈川県へは初出店になる。

基本的な店内構造・島設備は旧メガガイアをそのまま踏襲。主な変更点と特徴はパチスロの絨毯張替・パチスロ（S）→パチンコ（P)工事2BOX（P71台増）・天井まで仕切るしっかり系フロア分煙（「メガフェイス1450本山店」と同様）である。

メイン入口から、賞品カウンター・6BOX中低貸4BOX・通路沿いのトイレまでが禁煙で、その先はすべて加熱式タバコOKのフロア分煙となる。吸い殻回収システムは蓋の部分だけ変更して「加熱式タバコ用」として活用している。

玉積み8BOX中6BOXは1列21台・床タイルのオーソドックスなストレート島。

新設2島のうち1島はパチスロコーナーと同じ床絨毯でパチスロとの親和性を持たせている。P→S工事は照度や造作を丁寧にデザインしないと効果を損なうことが多かったが、多階層構造でなければ、パチスロとの回遊性をベースに、パチスロテイストを残したままでも問題ないような印象だ。

店内への入口は四隅計4カ所ある。立体駐車場EVは2カ所の入口にあるが、国道と反対側の第2駐車場からの入店動線・朝の入場口・景品交換所のある入口メイン。

メイン入口からのファーストポジションは、各台計数パチンコ低貸・デジハネと時間消費型コーナーが続き、玉積みの「海系」の先に構成比の高い「勝負機」を設置。

新設されたパチンコ島のうち、ガンダムUC島はパチスロと同じ絨毯仕様。パチスロは曲線・円形島の多いつくりで、中央通路から半分がジャグラーS低貸で、残り半分が勝負系機種を中心とした配置になっている。

周辺競合店に学びながら地域を盛り上げていきたい

フェイスグループの特徴として「不正行為・プロやグループ打ち」などに対する厳しい姿勢がある。それが店内の掲示物にも表れている。出玉放出を無駄にしないという点で、店内の「ルール系POP」は参考になるだろう。

禁止事項はややキツメの表現があるが、基本的に普通に遊技していれば関係のないもの。「一般のお客様にも確認などを行うことがあります」との告知により、うっかり声掛けしても理解してほしい、という保険もかけている。

コロナ禍もあり現状は「県外からの遠征遊技はお断り」となっている（隣接する東京都町田市はOK）。これは1人ひとりを細かくチェックという厳格なものではなく、あくまで〝確認することがあります〟という抑止的な要素。朝の抽選・整列は、 8時30分から雨天でも濡れない屋根付き駐車場内で行われる。立体駐車場EV各階に朝の入場抽選に関する案内があり、抽選会場の反対側（パチスロ側）になるEVへの誘導案内も掲出。初めてでも迷わない配慮がなされている。

オープンから約1カ月半、店舗の現状と展望について同店の染川寛之店長がこう語る。

「今はグランドオープン効果もあり稼働は予想していた以上にいいです。しかし、現状に甘んじてはいられません。商圏10キロメートル内には全国チェーン大手を含め非常に強い競合店が数多くあります。そうした店舗から学び吸収させていただきながら、地場での認知度を高めていきたいです。競合店が多いということはそれだけ遊技客も多いということですから、潜在客の掘り起こしや既存客の遊技回数アップを促しつつ、地域全体を盛り上げていければと思います」

 

 

周辺競合大型店／マルハン、やすだ、デルパラ、Super D’STATION、キコーナ

 

マルハン横浜町田店（1400台）

・2012年4月オープン ※フロア分煙

・車15分圏では商圏最大規模店で、メガフェイスからはやすだの先に位置する

「やすだ×マルハン」で横浜町田を盛り上げてきたといっても過言ではなく、メガフェイス出店で客数を下げてなお高稼働だが、系列店から牙狼を少しずつ集めて現在60台で誘因するなど、下げた分を取り戻す施策。

 

やすだ大和店（912台）

・2012年8月オープン ※フロア分煙

・メガフェイスから246号を東京方面に車10分圏

・246号線の西側（座間・大和市内）からは、246号の渋滞を回避した店舗裏手からの入退店が可能

機種の絞り込み導入・パチンコ玉積み重視・喫煙者優遇……とメガフェイスと営業スタイルが似ている「やすだ」。台数規模では「マルハン」に明確に劣るが、パチンコ通常貸に特化したスタイルで、（パチンコ通常貸の）実客数では上回る日も多い。

 

デルパラ大和店（784台）

・2012年8月オープン

・246号線と交差する467号線沿い、車10分圏。

同年オープンの「やすだ × マルハン」の陰で、初手から「低貸専門店」としてオープンして〝日本最大級〟の規模感と通常貸店に負けない品ぞろえ・新台導入で幅広い層から支持を集め高稼働。

 

Super D’STATION座間店（1055台）

・2014年12月オープン　※フロア分煙

・メガフェイスから最も近く、徒歩で行き来可能な第1競合
「最重要旗艦店」を全面に出して対抗。今のところ、メガフェイスの膨らみを上手く吸収している。

 

キコーナ海老名店（1200台）

・2019年4月オープン ※フロア分煙

・車20分圏ではあるが、メガフェイスと同規模で商圏2番目の台数規模
グランドオープン初手では苦戦するもリニューアル後は好調を維持。その際に、座間方面（旧メガガイア）からの誘因が大きく寄与したと思われ、週末・特定日の綱引きが想定される。

 

 

 

総括／メガ店舗のゆくえを左右する6号機の品ぞろえに注目

足元から広域まで居住人口が潤沢な一方で、個性的な競合店も多い座間・横浜町田商圏。随所に渋滞箇所はあるが、「目的地」が決まっていれば地域住民ならではの回避ルートはあるもので、あの店への裏道はこのルート、この店への裏道はこのルートと店舗が細かい所まで開拓して、電柱広告での誘導や抜け道マップを掲示し商圏を広げることは可能だ。逆を言えば、人口が潤沢に見えても、渋滞回避ルートがない、または開拓できないと苦戦を強いられる難しさもある商圏。

メガフェイス1180座間店のロケーションでは、南北は比較的広域集客しやすく、東はやすだ大和店が日常競合で、特にパチンコ通常貸で引き合い、その先のマルハン横浜町田店（1400台）も週末・特定日では引き合う。西は平時に海老名まで届かないも、やはり週末・特定日はキコーナ海老名店（1200台）まで影響圏は伸び得る。キコーナと〝サンキュー（3・9）〟被りの「Super D’STATION座間店」の頑張りがそのままメガフェイスの戦いやすさにつながる。

主力機を圧倒的に取りそろえ、多少強引にでも稼働させて勝ち切るのが持ち味のフェイス。フェイスの海比率の低さは、「沖海5」の市場の動きに敏感に反応しているからか。それでも、パチンコは「主力機を圧倒的に取りそろえる」路線を強く感じるが、いまのところ6号機に対してはアクセルを踏んでおらず、8月オープンの他メガ店舗で〝まどか前後編〟BOX導入などの妥協解が散見される中でも慎重な判断。それゆえに〝最後の捲り〟がどういった品ぞろえの着地に至るか必見だ。