立志伝 小田博正(株式会社伸喜 代表取締役社長)

2020.02.14 / 連載

「家族」「創造」をキーワードに
中小企業の存在価値を追求

 

 


経営を立て直すには経営者が考え方を変えろ


愛知県を中心にパチンコホール6店舗を展開する伸喜。
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「家族」「創造」をキーワードに
中小企業の存在価値を追求

 

 


経営を立て直すには経営者が考え方を変えろ


愛知県を中心にパチンコホール6店舗を展開する伸喜。
2019年9月4日、県内のホテルで48期(2019年10月〜2020年9月)に向けた決起大会を行った。

決起大会は今回で2回目。その前年の2018年6月に行われた1回目は主に中長期計画を発表し、会社が進んでいく方向性を示した。そこでは3カ年ビジョンとして現在6店舗の総売上205億円を2021年までに230億円に、旗艦店である磐田南店と豊橋藤沢店を客数一番店にすることなどを示した。
それと同時に従業員満足度を追求するために4つの改革―①新給与システムの導入、②就業規則の見直し、③福利厚生の充実、④社員教育制度の開始を掲げた。

それを踏まえて行われた今回の決起大会では、全店を2日間休業。全社員を前に新経営理念となる「大家族創造経営」が発表された。
大家族創造経営とは小田が社長に就任して以来、5年間にわたって悩み、考え抜いた末にたどり着いた結論であり、そこに込められた思いも特別だ。

小田がいう。
「これまで自分自身がどうしたいかで物事を進めてきました。しかし、結局のところ業績が上がらなかったり、思いが伝わらず人が離れていったりしていました。そんなことを繰り返すうち、〝この先、パチンコ経営は難しいな〟と諦めかけた時期がありました。そんな時、たまたま参加したある研修をきっかけに会社がうまくいかないのは経営者の責任であり、それを立て直すには経営者が考え方を変えなければいけないと気づいたんです」

以前は、「自分は正しい。だからみんながついてくればなんとかする」という発想だったが、それは逆で「周りに支えられていたから今の自分がある。だから周りを認めて、その人たちにどうしてあげることができるかを最優先に考える。もちろん会社なので売上や利益のアップを求めていきますが、その前に仕事のやりがいやどこで人に認められるかに重きを置いた経営にした方がいいのではないか」との考えに至ったという。

 

提案やチャレンジを促し役職は撤廃する組織改革


新たに打ち出した経営理念は「家族」と「創造」がキーワードになっている。それを「意識し、会社の意義(あるべき姿)や存在価値を求めていく」と小田はいう。

「同じ職場で一緒に働いている人は伸喜家という家族です。社長が父親であり、社員は大切な子どもたちです。子どもたちが成長して巣立つまでしっかり面倒をみるのは親の役目です。また、すべての取引先は良き友人であり、お互いに協力し合う仲間です。家族と仲間は、誰かが困ったら助け合い、悲しい時にはともに泣き、何かを成し遂げた時には全員で喜びを分かち合うもの。伸喜に関わるすべての人たちが同等の立場で発言できる環境を作ります。その上で、価値観を共有し、失敗を恐れず会社と個人の発展のため、全員で決定し、それを実現させていくことを『大家族創造経営』という理念に込めました」

そして、この理念を支えるのが①社員のための会社作り、②成果=給与を実感、③経営者の育成の3つの柱である。

「社員のための会社作りとはトップダウンではなく社員自らが提案をし、採決し、自ら取り組む。それに対して会社がバックアップをしていきます。また、成果を出せばしっかりと給与に反映するシステムを構築していきます。そして、どのような形であれ最終的にはトップに立ってもらいたいと考えており、会社はそれをサポートしていきます」

現在、同社では提案やチャレンジする土壌作りを浸透させているところで、毎週月曜日には「提案書協議委員会」を開催。そこで提出された案や試みがOKか否かは参加者の多数決による。それに対し小田は協議に参加しないことがルールである。

また、「組織改革で一番大きい」と小田がいうのが「役職を撤廃した」ことだ。以前は本社には社長、部長、課長がいて、店舗には店長、チーフ、リーダーなどたくさんの役職があった。それをすべて止めて、今ある役職は部長と課長と店長だけ。それも外向きに必要だから残しているだけという。

 

この会社はトップに立つための通過点


それは給与制度改革にもつながっている。
役職手当をなくし、すべて年棒制に変えたことで、その評価のベースとなるのは1人ひとりの順位づけだ。「あなたは総合得点が1位だからこの給料です」といった具合に。そこには社歴も部署も店舗も役職もまったく関係なく、同じ項目で評価される。
1年目の評価表は小田自身が作ったが、評価表の見直しは1年に1回行うと決めていて、2年目の今年はそこに部長が入って見直しを行う。そして、3年目以降は役職のついていない社員も入れて見直していきたい。

小田は「平等性を担保するために、主観的な項目をできるだけ減らそうと考えています。例えば6店舗ある店の中で、前年対比の上昇率が1位だったらそこに配属されていたメンバーは3点プラスとか。評価項目や配点は自分の判断ですが、1年に1回の見直しでどんどん変えていけばいいと思っています。いままで疑問に感じたことや、社員の気持ちをできるだけ加味しながら進めていきたいですね」と話す。

そして、3つ目の柱「経営者の育成」についてこう語る。
「社員が途中で立ち止まることのないようにゴールは経営者に設定しています。経営者にもいろんな道があって、例えば子会社を立ち上げるのもありですし、独立したいのであればそれを手助けします。本社の役員になり経営に参画してもらうのもいい。決してパチンコ業界にこだわっていませんので、そこは自分で自由に決めてもらいたいです。この会社はトップに立つための通過点だと考えてもらえれば嬉しいですね」

47期から48期にかけて大きな改革を進めた小田。その過程でかつてないような社員の反発や大量の退職者を出すという苦悩も経験した。それでも小田は「自らが率先して変わる」ことで改革への強い意志を示し続けてきたという。

 

 


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