【金曜】東上野グルメ ハバネロで狂気には狂気を

2015.08.07 / 連載

復活! 東上野グルメ第34回 ハバネロ

おはようございます。辛口コメントが信条の編集部黒幕でございます。今日も東上野はすさまじい暑さでございます。昨日(8月6日)、時代遅れの百貨店スタイルでおなじみのファッションビル「OIOI(上野丸井)」の屋上気温計が「39度」を表示しておりました。このキチガイじみた暑さはまさに狂気。狂気には狂気で挑むしかないと先日の別冊校了間際に、編集部で食べたのがハバネロでございます。

先々週の日曜日に編集部へ顔を出してみると、でちゃう!編集部の連中がワーワー騒いでいたのでござます。覗いてみると、干しトマトのようなものをかじっては編集部のザコ連中が顔を赤くして涙を流し、のたうち回っておるのでございます。なんとも不可解なことをしているので、「ああ、ついに壊れたのか。せっかく『でちゃう!』が15周年でコンビニ実売も少しずつ上がってきたのに、人間というのはプレッシャーに弱い生き物なんだな。よし、しっかり見送ってやろう。今日は、送り人に徹しよう」と思っていたら、どうも干しトマトではないようなのでございます。

「これ、なに?」と聞くと、ハバネロというではございませんか。初めて生で見ました。好奇心の塊である私が、食べる決断をするのに要した時間は、一瞬でございました。「よし、わたくしにもそれをよこせ」と3個いただきました。ただ、いきなり自分で食べるのはリスクがあると判断し、となりに座っているクソ豚野郎に1個渡して「何も言わずに丸ごと食え」と食べさせてみたのでございます。

すると、クソ豚野郎の顔が急に赤くなり、ボロボロ涙を流して「痛い、痛い」とわめきだし、「食道が焼ける」とのたうち回りだしたのでございます。いや〜、笑いました。普段ろくに仕事をしない豚野郎が苦しんでいると、本当に笑みがこぼれてしまいます。腹を抱えて笑いました。「なるほど、丸ごとイッちゃうとこうなるのか」と実験結果をみて、数ミリ四方にちぎって実食することにいたしました。

ほんのひと千切りのハバネロを口中に放り込んで数秒。独特の風味が鼻孔を刺激したかと思うと、次の瞬間には「激辛」が舌を攻撃し、舌先、舌の横部分の味蕾細胞が破壊され、ノドの入り口部分が焼けるように痛いのでございます。飲み込んで十数秒で脳の危険アラームが鳴り響き、その後は口中から胃にかけての痛みが襲ってきて、中和剤として午後茶のミルクティーをとにかく飲み続けるしかない状態に陥ったのでございます。死ぬかと思いました。

そんなハバネロとの格闘中、脳内をかけめぐったのは小学校のときの思い出でございました。実家にあった消毒用アルコールや洗剤、生理食塩水、サンポール、過酸化水素水などをテキトーに混ぜまくって「毒」をつくっていた頃の記憶が頭をもたげたのでございます。毎日のように「毒」をつくっては、近所の花壇などにばらまき、テロ行為を繰り返していたのでございます。なぜそんなことをしていたのか、今となっては思い出せませんが、科学者気取りで来る日も来る日も「毒」をつくりつづけておりました。花が枯れたりすると「やはり」と思ったり、「とんでもないものをつくってしまった」と思ったりしたものでございます。

そんな記憶が蘇ったハバネロでございました。

文・写真/黒幕

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