【金曜】東上野グルメ 「ザイルを切れ!」ラーメン登山……

2015.04.10 / 連載

復活! 東上野グルメ第19回

おはようございます。辛口コメントが信条の編集部黒幕でございます。昨日、なんとか校了いたしまして、ホッとしている金曜日でございます。まあ、人があいかわらずいなくて、ブチキレそうでございます。特に、校了作業で忙しいときに、地蔵のように固まって机から動かず、足を組んで本を読んでる50代後半のI元編集長の姿をみるにつけ、「ああ、今月でリストラか。因果応報、遅すぎるくらいだな」と思う次第でござます。ウソをつく奴と仕事できない奴は、どんどん野たれ死ねばよいのでございます。給料をもらう資格なしでございます。

さて、そんな鬱憤たまりかけた先週末、編集部で飼っている豚といっしょに浅草「弁慶」へ行って参りました。浅草といっても、東上野から仏壇通りをまっすぐ15分程度歩くと雷門が見えてまいります。仲見世を通って、浅草寺のすぐ裏に「弁慶」はございます。無性に腹が減っていたので、「とん塩らーめん」(730円)に「大盛り」(210円)と「焼餃子 5個」(380円)の食券を購入。

待つこと数分。

着丼した瞬間に、時が止まったのでございます。脳内の細胞一つひとつが「何だコレ」「何コレか?」「何コレは大井ニュートーキョーの澤さんの・・・」「これは珍しいパチンコ台?」「いや、目の前のこの巨大な丼は・・・」と信号を発し、アラームが鳴ったのでございます。「危険」「危険」「危険」……。

直径70センチを優に超えるバケモノ丼に麺がギッチリ詰められ、チャーシューでフタがされているのでございます。しかもご丁寧に、チャーシューの上には、「これでもか!」と背脂が雪のように降り積もっているのでございます。

ワタクシには、それが幾人ものシェルパの命を奪ってきた世界最高峰、ヒマラヤに見えたのでございます。村上もとか先生の大ヒット作「クライマー列伝 ザイル」(小学館)の名シーンが走馬灯のように脳内を駆け巡りました。「ヒマラヤの虎」と呼ばれ、世界の名登山家のサポートを幾度もしてきたシェルパ族のドンさえも飲み込んでしまう悪魔の吹雪。そして、シェルパを失った登山隊に残されているものは、「死」だけなのでございます。

「ザイルを切れ」

「ザイルを切れ」

「ザイルを切れ」

ロニー・ゴードンの言葉が脳内に鳴り響き、気がつくと私は浅草寺裏のトイレにおりました。私は、ヒマラヤ登頂に成功したのでしょうか。それとも、途中で下山したのでしょうか。後ろを振り返ると、もうろうとする意識とは裏腹に、ヒマラヤの嶺は晴れ渡っていたのでございます。

弁慶:食べログ3.53

営業時間

6:00~9:30
11:00~翌4:00

文・写真/黒幕

 

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